太陽の子  冬の号 bP34   2011年1月     HOMEへ戻る     バックナンバー



目 次

1,更なる在宅支援の実現を / 小又克也

2,居宅介護事業所で働いて / 笠井苗美

3,いい湯だな / 中村恵美

4,日立守る会だより / 佐藤芳昭他

5,お知らせ/ご寄付ありがとうございました

6,編集後記



更なる在宅支援の実現を      TOPへ

日立市太陽の家 園長 小又克也

平成23年、新年明けましておめでとうございます。
昨年は記念すべき日立市太陽の家40周年の年、計画した記念事業も四月実施予定の「北欧研修」を残すばかりとなりました。 お陰様で沢山の方々にご支援、ご協力を頂き事業を実施することができましたことを心より感謝申し上げます。
さて、この40年の歩みに、太陽の家の利用者はもちろんのこと、主に介護するご両親も年齢を重ねてきました。 いつまでも家族そろってわが家で生活したいという家族の願いを支援するためにスタートした居宅介護事業ですが、 当初潜在的に埋もれているはずと読んだニーズが予想以上に大きく、この事業が果たす役割は非常に深く重要なものとなっています。
この2月には、更なる支援を可能にする為に新たに『相談支援事業』を開始することにしました。 この事業は、障害のある方が抱える問題について相談を受け、地域のネットワークを活用して、関係機関との連携やサービス提供の調整を行い、 問題の解決と生活の質を高める支援を行うものです。
また、法人の自主事業として『心身障害者及びその家庭を支援する事業』を開始します。 この事業は、在宅で心身障害者を介護する保護者の高齢化に伴い発生した諸問題に対してインフォーマルな支援をするものです。 具体例としては、入院中の障害者本人に対して医療以外の支援が必要になったときなど、そして両親が高齢でその対応が困難な場合、 現在は公的な支援の手だてがないためにどこからも支援を受けることができない状況があります。 この様なときに非公式(インフォーマル)な支援を提供することができるようにしました。 対象者を日立重症心身障害児(者)を守る会の会員に限定した事業ではありますが、太陽の家のこれらの活動が、 少しでも在宅生活を守る支援に繋がればと願っています。


居宅介護事業所で働いて      TOPへ

笠井苗美

暑かった夏も名残惜しそうに去り、いつの間にか寒さを気にするようになりました。今年の夏は記録を残す程暑くそんな中での サービスは利用者さんの体調に気をつけながら行いました。幸い入浴中に具合を悪くする方もなく相変わらず事業所は皆さんの 笑顔で満たされています。
日中一時、移動支援、身体介護、家事援助、通院等介助など、太陽の家で働き始めた頃はサービス名の違いが分からないまま夢 中でしたが、今は名の意味も知り、またほとんどの利用者さんと顔を合わせてもらうことができました。
それでも未だ私の顔を覚えてもらえていない方も……。ぜひ居宅サービスでお会いできるのを楽しみにしています。
コミュニケーションのとり方は十人十通り。自ら歩み寄って相手に合わせる大切さを教わりました。自分から心を開かなければ コミュニケーションはとれない。今後も心に留めていきたいと思います。
近頃はまた、太陽の家以外の機関とのコミュニケーションの大切さを感じています。
サービスの中に病院やリハビリに付き添ったり、薬局へ行く等があります。実際にその場所へ行き目にするのは、ひとりの利用者 さんをとり巻くたくさんの人達の存在です。御家族はもちろんですが、医師、看護師、ケースワーカー、理学・作業療法士、薬剤師、 ヘルパー、学校の先生、訪問看護師、介護福祉士。そしてそれらの人達と私達が連携することも多くなってきました。 リハビリの現場では太陽の家のスタッフと病院の先生方との情報交換をして、支援の内容がより良いものになっていると思います。 医療機関の方々からアドバイスをいただくと、私達がサービスを行う上でとても参考になります。
またあるケースでは、主な介護者である御両親に代わり医療機関との話し合いをした事もありました。その御家族と本人のおかれて いる状況を短い時間で理解してもらう難しさがあります。病院(医療)の視点と福祉の視点とで、食い違うこともあります。 けれども何度か顔を合わせ、話し合いを重ねていくうちに、相手が共に支援の形を考えてくれている、と分かった時は利用者さんは もちろん、働く私自身にとっても大きな支えになりました。
利用者さんを支える多くの人達がいます。それらの様々な機関が連携すると大きな支援の輪ができます。私はそれを少し体感できた ように思います。考え方の違いはあっても皆、利用者さんにとってのベストを望んでいる点では同じです。
今後もこのようなケースは増えていくと思います。一人ひとり、その方にあった支援、という視点を忘れずにいきたいと思います。


いい湯だな      TOPへ

中村恵美

あったかいお風呂が恋しい季節になりました。入浴サービスへ向かい、つばさ号は走ります。日中一時を利用される方のために、 太陽の湯も温まっています。
入浴は利用される方の情報を得る貴重な時間です。普段は何かと気を使ってしまう方でも、入浴中はお一人だけに使う時間のため、 とてもリラックスされています。笑顔の花がどんどん咲いて、職員もほっこり温まります。いつもは受身がちな方が入浴中、 ちょっぴりマイペース。湯に浸かり肌が赤くなった事を確認して上がるよう声かけしますが、反応がありません。「温まったら 教えて下さい。」と声かけすると、うなずき、しばらくしてから「出る。」と教えて下さいます。 きっと普段は我慢してくれている事も多いんだろうな、と反省します。
以前、定期的に日中一時を利用し入浴されていた方が、体調を崩し入浴利用が出来ず洗髪などの清潔保持が難しくなりました。 ご家族と連絡を取り合い、身体介護を利用して自宅で洗髪・全身清拭・着衣交換・患部処置を行いました。 その後関わりを続け、適切科への病院受診へ渡る事が出来大変よかったと思います。
また、皮膚疾患の方がいました。入浴後疾患部の処置を行うため傷を見ます。その方の患部はご本人が伝えてくれていた状態 よりも傷が深かった為、傷を見ていなければ、配慮に欠けたケアをしてしまったかもしれません。 目の届きにくい場所だったため、移乗や抱き上げの度に気配りする事ができました。
入浴を通して学ぶ事は多く気付いた事はどんどん職員間で情報交換し、入浴時間を益々楽しくリラックスしていただける様、心がけていきます。
ご本人やご家族の変化にも気付ける様アンテナを高くしてつばさ号は走ります。
本日の太陽の湯「いい湯だなぁ、アハハン」の声聞こえてます。



日立守る会だより

新年を迎えて
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会長 佐藤芳昭

皆さま明けましておめでとうございます。今年は卯年、障害者にとってどのような卯年になるのでしょうか。
ここでちょっと障害者福祉施策改革の変遷について見てみます。平成15年5月に支援費制度が施行され、平成18年4月には 障害者自立支援法が施行、そして障害者サイドからはあまり評判の良くない内容であったため抜本的な見直しが急務となり種々 の経過を経て平成21年3月「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案」が国会に提出されましたが、政権交代等々でのび のびとなって昨年の臨時国会で閉会直前で参議院で可決成立したのです。 政権交代により「自立支援法は廃止、制度の谷間がなく応能負担を基本とする総合的な制度を作るとして障がい者制度改革推進会 や複合福祉部会などを平成22年1月から設置、平成25年8月自立支援法に代わる障害者総合福祉法案(仮称)国会提出に向け 中央省庁で進められているのが現在までの大雑把な経過です。このように支援費制度が実施されて以降、目まぐるしくなる位障害 者施策が変わってきているため注意深く関心を持って情報を把握していく必要があるのです。
このような状況の中で我々重症心身障害児者に対しての周囲の見方、考え方には非常に厳しいものがあるとともに、施策について も、全体的に小さな団体は大きなうねりにややもすると呑み込まれてしまう危険性もはらんでおり、従来以上に重症児者の問題点 を明確にとらえ、声を出していく必要があると思います。例えば、児者一貫のこと、短期入所の増設のこと、医療体制のことなど がその一例ではないかと思います。
年始早々固い話は不本意でしたが、現情勢は非常に厳しいものであることを理解していただき、力を一つにして活動をしなければ ならないと思いあえてお話をした次第です。卯年をよい一年にするよう頑張りたいと思いますのでよろしくご協力お願いいたします。


関東甲信越ブロック大会に参加して

小林  修


去る10月2日(土)〜3日(日)にかけて、群馬県水上温泉「ホテル聚楽」にて開催され、日立分会・太陽の家から11名の仲間 と共に参加しました。中央情勢報告に続いて「重症児(者)の命を守り豊かな生活を」と題してシンポジウムが開かれ、 障害政策課の深代敬久課長、特別支援教育室の福田弘二室長、はんな・さわらび療育園の金子広司園長、西群馬病院療育指導室の 戸次義文室長の四氏の話を聞きました。
翌日は「みんなで語ろう」に続いて基調講演で「いのちの尊さ」について希望の家の矢野亨名誉理事長の話を聞くことができました。 日頃不勉強で外部情報の少ない私には大変参考になる大会でした。
障がい者制度改革推進会議の中で「障害者は施設で暮らすことは人権侵害である」と多くの委員から意見が出たそうですが、 障害者の権利条約の第23条の最後の部分に「近親の家族が見られない場合は、一層広い範囲の家族が代わって見る、それも不可能 なときは、地域社会の中で家庭的な環境により面倒を見る……」というような意味のことが記述されています。障害者が住むところ として大事にしたいのは「家庭的な環境」ではないでしょうか。
自立して暮らせない重症児(者)が親の元で暮らすのと同じように、安心して暮らせる思いやりや温もり、プライバシー、安らぎがあり、 どこへでも行きたいときに行ける、そんな支援のある居場所があったらいいですね。

大森 孝子

第20回関東甲信越ブロック大会が、群馬県水上町ホテル聚楽で開催されました。1日目はシンポジウム「重症児(者)の命を守り 豊かな生活を」、2日目は基調講演「いのちの尊さ」でした。印象に残ったのは、西群馬病院が群馬県唯一の重症心身障害病棟があ る国立病院機構という事でした。癌、呼吸器疾患、重症障害者の三本柱で障害者病棟は80床あり満床という事です。 後一つは、はんな・さわらび療育園金子先生の話です。重症児の呼吸器障害は気道閉塞、狭窄、舌根沈下、喉頭、気管軟化症、 誤嚥性異物、気管支喘息があり身近に起こり、気になっていましたので勉強になりました。又、西群馬病院では、高齢化等で面会に 来られない親に対し、子供を家庭へ連れて行く取り組みがあり、工夫した対応が今後の課題という事でした。 私達にとっても他人事ではなく、今後考えていかなければならない事ではないかと思いました。

田尻 陽子

10月2・3日の2日間、群馬県・水上温泉「ホテル聚楽」にて全国重症心身障害(者)を守る会に参加しました。 運動の原点は、重症(者)のいのちが守られること、親はいかなる時にも障害のあるわが子を慈しみ、将来を案じています。 親の中では高齢化が進み、生活するためには多くの支援が必要となってきています。将来的には施設入所などが考えられます。 重症心身障害者施設は、医療施設であるとともに、福祉施設であり、医療施設としての医療職と発達や生活を支援する福祉職の 職員が勤めています。職種間同士の連携により、重症心身障害(者)に合ったプログラムを実施しています。施設内だけでなく、 地域にて生活する事は自然な事ですが、まだ不充分な点が多い事が現状です。地域にて生活するために、それを支援できる社会、 資源、サービス基盤の整備が、今後求められていくと思います。



お知らせ/ご寄付ありがとうございました      TOPへ

○平成22年度日立市太陽の家利用者数
 総数31名 男性16名 女性15名
○太陽の家の利用者で今年2名の方が成人を迎えられます。これまで歩んできた20年が積み重なって素敵な晴れ着姿を見せてくれることと思います。
○次の方から寄付を頂きました。(敬称略)9月〜11月
 善和会 鈴木一江 有馬郷子 アフィーフ亜希子 浅川秀吾 小林豊 多賀向上会
○次の方から物品の寄贈がありました。(敬称略)9月〜11月
 椎名則夫 榎田孝行 長谷川秀世 沼田多恵子 大森健二 大久保紗織 三輪武子 有馬郷子 中田美知子


編集後記

編集後記
海から顔をだす太陽が一段と眩しく見えるのは、心に誓った新たな思いのせいでしょうか? 今年一年も頑張れる気がするのは大好きなみんなの笑顔と一緒だからでしょうか?一歩ずつ歩みを止めず一歩ずつ(K記)  TOPへ