太陽の子  秋の号 bP37   2011年10月     HOMEへ戻る     バックナンバー



目 次

1,自立生活実現へ / 小又克也

2,人工呼吸器装着の方と / 横田寿子

3,緊急時連絡網の整備について

4,日立守る会だより / 佐藤芳昭・大久保澄江・河野真由美

5,お知らせ/ご寄付ありがとうございました

6,編集後記



自立生活実現へ      TOPへ

日立市太陽の家
園長 小又克也


どんなに重い障害があっても家族と共に過ごしたい、生まれ育った街で生活したい、自己選択自己決定が保証された自立生活をしたい、 それらの願いを実現するために取り組み目指してきた「自立支援五事業」の総合的なサービス提供ですが、いよいよ現計画の最後の事業となる 「住まいの場の提供」ケアホーム建設へ向けて動き出すことができました。 財団法人JKAの補助を受けて、今年度中の完成を目指し現在建設が進められており、二十四年四月に事業開始の予定です。
親亡き後の生活に大きな不安を抱えながらも、次の新たな一歩を踏み出す勇気は誰もがなかなか持てないものです。 それならば不安を抱えながらでも、ゆっくり半歩ずつでも進んでいける、だめだったらまた少し戻ることができるような、 そのような住まいの場を作りたいと考えています。幸い、障害者自立支援法の中に「体験利用」というサービスがあって、 工夫をして利用することで家庭から地域へ、そして自立生活の実現体験へと少しずつ進んで行くことができそうです。 親子ともお互い自立することに慣れていったら、その時は安心してケアホームに生活の場を移して欲しいと思います。
今回、当法人が運営するケアホームは、主に「重症心身障害」の方を対象にしています。 しかしながら、医療的な介護度合いや身体介護の量や中身などによっては、従来の入所施設(障害者支援施設)のほうが 安心して生活できる例もあるかもしれません、施設間や医療機関との連携や役割分担についてなど、 ネットワークを強化し解決しなければならない課題も残されています。
ケアホームの完成は同時に「自立支援五事業」整備後の新たなスタートでもあります。 今後とも皆さまのご支援ご協力をいただきながら一歩ずつ歩みを進めていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。


人工呼吸器装着の方と      TOPへ

看護師 横田 寿子

私達は呼吸をしなければ生きられません。息ができないとどれほど苦しいでしょう。 生きていく為に呼吸は不可欠で酸素や二酸化炭素のガス交換等が必要ですが、太陽の家の利用者の方には苦手な方もいます。 呼吸を補助しているものは「気管切開」「人工呼吸器」があります。体に穴を開けて呼吸器をつないでいるのです。 異物を入れるので体への負担はとても大きくなります。そして、体の様子や器械の管理を傍にいる家族の方が行っているのがほとんどです。 先日の震災の時には、どれほど不安で大変だっただろうか思い出すと涙がでてきてしまい胸が熱くなります。 何よりも呼吸器を動かしている電気が止まってしまい周りがパニックになっている状況だったのですから。 母達の瞬時の対応で病院に駆け込み大事には至らなかったのですが、移動の時には呼吸器本体と、繋いでいる回路、 本人の呼吸に注意をしなくてはならないので一人で全てを行うことはとても大変だったでしょう。 病院では治療の方が最優先なのでそれからの何日間は顔見知りの方同士で励まし合っていたと聞きます。
数年前から太陽の家の利用者の方で呼吸器を付けて在宅生活を送っている方がいます。 その方の所へ訪問するたびに、ずっと部屋の中の生活になってしまうのか、 心地よい外の風を感じたり行きたいところへの外出はもうできないのかと寂しくなることがありました。 私の中でその方と庭の散歩ができるのを目標にしていたものでした。 けれど今では呼吸器もずっとコンパクトになり、何回かの通院などを重ね、家族の方、職員、利用者の方も呼吸器を付けての外出の機会が増えました。 現在、生活介護に呼吸器をつないで登園したり短期入所を利用できる方もいます。 それまでには往診してくださる医師、何かあればすぐに対応してくださる訪問看護の方、 人工呼吸器の会社の方、施設職員同士の連携等も加わり時間はかかりましたが、 元気にはしゃぎながら通ってくる利用者の姿を見ると嬉しくなります。 看護師以外の職員も呼吸器に触れる機会が増えました。いろいろな援助を通して、毎日ケアをしている家族の負担、 抱えているいろいろな不安や思いを直接受け取り、感じて、関わりの中で見逃してはいけない所に気づかされています。 共に過ごし同じ空気や同じ時間を感じていられることはお互いを知り、幸せになる第一歩だと思います。 私達は背中や胸に触れて、力強く呼吸ができるようおまじないをかけます。ほんの少しの瞼や舌の動き、 呼吸器のアラームを鳴らしていろいろなことを伝えてくれる利用者の方とコミュニケーションをたくさんとりながら、 よりよい生活のお手伝いができるようになればと願っています。今後も多くの方と心が通じ合えるように、一緒の時間を過ごしていきたいです。 たくさんの表情をお待ちしています♪


緊急時連絡網の整備について      TOPへ



3月11日、東日本大震災の時太陽の家ではちょうど降園の準備が整い、エレベータで降りているところでした。 最初の一人と職員が降りているちょうどその時に揺れが始まり、なんとか一階まで無事に着き建物の外へ避難することができました。 更に揺れが大きくなり、エレベータの順番待ちをしていた残りの利用者と職員は、正面玄関から太陽の家の第一避難場所である 「助川城趾公園」へ、大きな揺れで玄関前の大谷石が崩れ落ちているすぐその脇を脱出することができました。
揺れが少し収まり、他施設の方々が地域の避難場所へ移動を始めた中、私たちは寒さ対策や医療機器の電源のことなどが心配で、 日立消防本部へ避難しました。
消防本部では、避難場所として指定されていたわけではないにもかかわらず、快く受け入れてくださり本当に助かりました。
一緒に避難をした利用者の家庭には、携帯電話で安全の報告や避難場所の連絡、今後の行動の確認などをしなければなりませんでしたが、 思うように携帯電話が繋がらず不安が募りました。これらのことは多くの方が経験されたことと思います。 実際、太陽の家でも最後に安全の確認が取れた家庭は翌日12日の午前2時頃でした。
このたびの大震災を教訓として、太陽の家は二つの緊急時連絡方法を設けました。
1、太陽の家のホームページ上に「緊急時連絡掲示板」を設定しました。各自の携帯電話から指定のアドレスへインターネット接続することで、 太陽の家からの伝言、または保護者の皆さんからの伝言も読み書きすることができるようになりました。 ただ、携帯機種によって約一割の方が書き込みができないなどの課題も残っています。
2、太陽の家からの連絡を、一斉に各自の携帯電話へメールでお知らせする方法を設けました。 しかしながら、この方法でも数名の方が対応できない等の課題が残りました。
このたびの災害時のように停電などで連絡が取れなくなったときでも、これらの方法でお互いの安全や手助けの要請などができるようにしっかり準備をしたいものです。



日立守る会だより     TOPへ

守る会活動の前期を振り返り次へ
会長 佐藤 芳昭


平成23年度の総会が去る4月29日に開催後、早くも6ヶ月となりました。前号では今年度の活動計画と共にその内容について申し述べ、 会員各位の協力をお願いしましたが、この半年間の活動を振り返り、それを踏まえて後半の活動の糧とし、 併せて日立市障害者プラン第三次計画の進捗状況についても皆様にお知らせしておく必要があると考えます。
まず守る会活動前期については7件の活動計画を立てましたが、3月11日の東日本大震災が発生したため、 2件の行事が中止せざるを得なくなりました。(全国大会参加、新国際空港バリアフリー化等の見学)残る5件につきましては 会員の皆様のご協力により無事乗り切ることが出来ました。
特に守る会が担当幹事でありました三者大会には色々とご協力をいただき感謝しております。 わけても、当然だと言えばそうかもしれませんが、一般会員の方々が積極的に大会運営の役割に当たって下さった点は誠に有難く思っております。 このような事が強いては会活性化にもつながっていくのではないかと思うのです。 7月に行った、奉仕作業についても多くの会員が参加され無事終了することが出来た次第です。 色々都合で行事に参加が出来ない場合もありますから、無理に参加する必要はありませんので、参加出来る状態、環境にありました場合には、 是非参加され、会員との交流を深められたら良いのではないでしょうか。
後期も色々な行事計画がありますが、極力参加され、ますますの会活性化に是非ご協力いただきたいと思っております。
次に日立市障害者プラン第三次計画の進み具合ですが、概略日程は11月中に計画原案検討、12月〜24年1月に市民からの意見募集、 1月下旬に全体会で計画原案決定、3月下旬計画書発行という予定になっております。 この過程で過日アンケートによりニーズ調査を把握し、それを計画に反映させるためのものでした。 しかし回収率は46.8%(前回49%)でした。自分達の将来を計画するアンケートであるにもかかわらず、本当に残念でなりません。 当守る会の会員は提出したと思っておりますが、障害者福祉に関する行政からのアンケートなどは必ず提出するようにしたいものです。 後期もよろしくお願いいたします。

天使の笑顔
大久保 澄江


皆さんは、日々の生活の疲れや心のストレスをどうリフレッシュしていますか。
私は、友人達と食事会をしたり、手話を習ったりしています。その食事会も、中一の息子のママさんグループと、 昔同じ市営アパートに住んでいた頃の友人達と二グループです。中一のママさんグループは、今年7年目です。 娘の年代と同じくらいのママもいます。話が合わない…なんて思っていませんか。それが結構楽しい時間なんですよ。 話題はいつも子供達の事です。男の子と女の子の思春期の違いや反抗期の子供達へのイライラを話し、ストレスを発散しています。 また、今年16年目になる食事会は、昔話しや家庭の悩みなどを話して楽しい時間を過ごしています。 現在は、みんなで話し合い、娘も一緒にという事になりました。娘が小さい時からの付き合いですし、気心も知っていますので、 今では娘も一緒に友人宅に集って月一回食事をしています。友人達は昔から、娘の笑顔を「天使の笑顔」とよく言っていました。 悩み事や嫌な事があると、いつも私の娘を抱き、娘の笑顔を見るだけでいつの間にか癒されているというのです。 今月もまた、娘の大好物を持ち寄り、心をリフレッシュするために、娘の笑顔に会いに友人達が集まります。
あなたも時には心をリフレッシュしてみませんか。そんな時にはぜひ、太陽の家に遊びに来てください。たくさんの「天使の笑顔」に会えますよ。

現状維持
河野 真由美


大輔は今年4月18日、無事26歳の誕生日を迎える事が出来ました。こうして毎年、誕生日を迎えられるのも家族の協力と、 ひとえに太陽の家の職員の方々、医療・福祉関係の皆様のお陰であると、感謝の気持ちで一杯です。
大輔は茨城県立勝田養護学校高等部の訪問教育部を卒業後、太陽の家への週2回の登園が始まってから8年になります。 これまでの先生が自宅に訪問する状態から、外に出掛けるという登園には多少不安もありました。 しかし大輔のペースに合わせて、決して無理をしないで、という気持ちできました。 これからも“現状維持”をモットーに、無理はせず、頑張り過ぎずに登園できたらと思っています。
これまで大輔は、一年に数回は肺炎を起こして入院していました。そのような状態の大輔が、昨年の10月に肺炎で入院して以来、 大きく体調を崩す事もなく現在に至っています。この調子で“入院しない記録”を延ばしていけたらいいな、と思っています。
“現状維持”は思う程に簡単な事ではありません。 しかしながら大輔がベストな状態を保てる様に、これからも体調管理に努めていきたいと思っています。 太陽の家職員の方々と太陽を利用される御家族の皆様方には何かとお世話になりますが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

お知らせ/ご寄付ありがとうございました      TOPへ

■お知らせ

○平成23年度日立太陽の家利用者数
  総数39名 男性26名
        女性13名


お知らせ
○退園
6月末で興野奈津美さんが退園されました。太陽の家での関わりは数年でしたが、園外活動や運動会への参加など沢山の思い出を作ることができました。 これからもお元気で。
○ケアホーム建設について
財団法人JKA・公益事業振興補助事業の助成金によりスタートしたケアホーム建設は只今基礎工事中です。 詳細は太陽の家ホームページにてご覧になれます。

○次の方から寄付を頂きました。 (敬称略)6月〜8月
親切会関東支部 村田理恵 善和会 後藤善弘 鈴木貫一 日立市更生保護女性会 鈴木君子 菊地英子 清宮烋子
○次の方から物品の寄贈がありました。(敬称略)6月〜8月
椎名将光 鈴木一江 小林豊 高田大資 榎田孝行 小俣志津 村田理恵 鈴木君子 大森健二 三輪武子

編集後記

運動会や紅葉狩り、秋も楽しめる行事が沢山ありますね。太陽の家では一足先に秋祭りを開催しました。 御神輿ワッショイ!ほっぺたいっぱい美味しいカレーに舌鼓、ゲームに歓声をあげ一日を過ごしました。 涼しくなっても水分補給は忘れずに。(K記) TOPへ