太陽の子  秋の号 bP41   2012年10月     HOMEへ戻る     バックナンバー



目 次

1,「ヒヤリ・ハット」と安全管理委員会 / 菊地祐二

2,ケアホーム「風の家」 / 井関えり子

3,日立守る会だより / 佐藤芳昭・高田多美子・榎田まさ子

4,お知らせ/ご寄付ありがとうございました

5,編集後記



「ヒヤリ・ハット」と安全管理委員会      TOPへ

太陽の家安全管理委員会
委員長 菊 地 祐 二


       ヒヤリ・ハットとは、日常介護の中で「危ないかもしれない」「おっと」といった、ひやりとしたりはっとしたりするような経験のことを言います。 例えば飲食物の誤嚥、誤飲、座位を保てず転倒、車椅子からの転落、介助中の介護ミス、ノロウィルスによる食中毒、インフルエンザ感染症等、 利用者支援の中に潜んでいるリスクは数多くあります。リスクが大きければ大事故につながりかねません。
そのようなリスクを事故に結びつけないようにするには、施設内のリスクを洗い出し、その結果を引き起こすリスクに対する対策を立て、 発生を予測して迅速に対応できる準備を行う必要があります。
そこで安全管理委員会を設置、全職員から「ヒヤリ・ハット」した経験を報告書として提出してもらい、委員会はその報告書を分析し、 リスクの発見、評価、改善を行い、予防対策を立案し、全職員に周知徹底を図ります。利用者によって呼吸器、吸引器を使用したり、 心身の状態に違いがあるため、機器の取扱い、個々の身体状況等を把握すると共に、利用者、その家族と十分に話し合い、 信頼感を築いていくことも大切なリスク管理につながります。
また、安全管理委員会は災害に対する対策も行っています。昨年の大震災を教訓に、施設の安全確認、備蓄の確保、発生時の連絡体制、 避難経路の確保、帰宅困難の場合や呼吸器電源確保等のための二次避難場所であるケアホーム「風の家」対応、避難訓練の実施。 地震や災害に慌てず対応できるように対策を講じています。
施設は利用者の安全を守る責任があります。常に危険に対する意識を持ち、全職員が安全確保のために同一行動をとることを目標とし、対策を実行していきます。


ケアホーム「風の家」      TOPへ

井関 えり子

5月に思い描いた風の家は三か月を過ぎた今、思った以上に穏やかに流れています。それは、利用される方とその家族に安心して頂き、 関わるスタッフも納得できるようゆっくり、確実な歩みをさせて頂いているところにあると思います。
利用される方の生活リズムは十人十色です。できる限り家庭に近い形で無理のないように過ごしてもらいたい、 少し欲を言えば家族と違ったところがあるけれど、こんな過ごし方もいいなと感じてもらえたらと思っています。これはまだまだ先の目標ですが…。
現在、体調や都合に合わせ月に一回から四回の利用者がいます。利用回数が増えると共に、風の家での過ごし方のパターンができています。 まだまだ過ごし方は変化しそうです。スタート以来変わらないのは、自慢の夕食です。食事を作ってくれる世話人さんは、 利用者さんと特別なコミュニケーションがあり、羨ましいのです。生活介護の給食と同様に味も彩りにも工夫された逸品です。 ほんの一例ですが写真を掲載しましたのでご覧下さい。食器は食べやすさも重要ですが、家庭的な雰囲気も大切にしました。 十六時頃より世話人さんが出勤され、調理がスタートします。利用者さんは、世話人さんが出勤してくると介護で関わる職員とは違った笑顔で迎え、 調理中も調理の音、香りを感じています。もちろん早く食べたいと催促する方もいます。 次回のメニューをリクエストしてみたりと会話も弾みます。そして、夕食の時間はテレビを消して音楽を流し、美味しい時間を楽しんでいます。
「おかえりなさい」で始まる風の家、もう一つの我が家で仲間と過ごす時間は、利用者さんを緊張の中にも解放感のある大人びた顔にしてくれます。 翌朝十時に充実した笑顔に「楽しかったね、又ね」と送り出してはほっと一息。
ケアホームはまだまだ成長の途中です。利用された方が帰宅時に家族と交わす笑顔を力にし、安心して利用して頂けるよう努めていきたいと思います。


太陽の家入職 小島 好文(准看護師)

前職はデイサービスセンターで老人の方を介護していました。太陽の家を利用されている方々は一人ひとり障害の程度も表現力も違い、 最初はどう接してよいかとまどいながら働き始めたことを今感じています。数日すぎると利用者の名前も一人、二人と覚えてきましたが、 介護、食事介助など今までと違いがある為、日々慣れる事で精一杯でした。一ヶ月がすぎ利用者さんのことが少しはわかってきたかなと思っています。 療育中顔や手にふれる事で伝わることはあるんだなと思います。今後はもっと仕事を覚えて、利用者さんがいつも笑顔になれる、幸せになれるようにがんばりたいと思います。


気持ち新しく 菅原 友梨(介護福祉士)

7月、太陽の家にパート職として入社致しました。以前勤務していた施設で関わらせて頂いた方々と再び出会う事が出来て、 不安だった気持ちに安心と嬉しさがあります。しかし、太陽の家独自の理念がありますので、経験は一旦外し、 新たな考えと気持ちで日々皆様と関わらせて頂いています。覚えなければならない事、前施設で見てきた事との違いの大きさに戸惑うばかりですが、 いつも笑顔で丁寧な職員の方々と時折見せてくれる満面の笑みが印象的な利用者様達に助けられながら、 ただひたすらに頑張って皆様の後を追っています。太陽の家で「共に過ごす」時間は私にとって真新しいものです。 他には無い場面が毎日あり、驚きの連続となっています。
今は、自信を持って「私は〜が出来ます」と言える事が無いですが、日が経っていつか自信を持って出来る事が言える時が来ると良いなと思っています。




日立守る会だより 日立重症心身障害児(者)を守る会      TOPへ

第49回全国大会に出席して 会長 佐藤 芳昭


去る7月16〜17日の両日、千葉県千葉市東京ベイ幕張ホールにおいて開催されました。一日目は行政説明、分科会が行なわれ、 二日目はみんなで語ろう、式典で閉会しました。一日目の行政説明では「障害保健福祉施策の動向」と題して厚労省障害福祉課長の講演がありました。 内容としては、平成15年障害者支援費制度施行から障害者自立支援法へと変りこれまでの経緯を話され、 同法の主な改正点として、利用者負担の見直し=応態負担を原則とすることや福祉サービスと捕装具の費用を合算した負担軽減など、 相談支援の充実では相談支援体制の強化を目的として市町村に基幹相談支援センターを設置し、自立支援協議会を法律上位置付けて従来より強力に相談支援を進めるなど、 又地域における生活のための支援の充実では、ケアホーム、グループホーム利用の際の助成として、 家賃の一万円を上限として市が負担することなどがあります。十八以上の施設入所者への対応では、児・者とも同一施設でサービスを受けられるが、 これは特別措置として6年間の間に施設側として考えることになる。以上が行政説明の我々に関わりある主な項目です。
次に分科会についてですが、四つの分科会に別れ、我々は在宅部会の分科会に臨みました。 「特別支援教育と在宅支援の今後の展望=重症児が地域で暮していくために=をテーマとして三人のパネラーによるパネル討論会でした。 この中で、子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田院長である前田浩利氏の「小児在宅医療の課題徒展望=なぜ今、 在宅医療なのか」についての話がありました。非常に感銘を受けました。長期的視野に立って現在をベースにどのような対応をとる必要があるのか、 データを踏まえての話は迫力も感じました。内容を一、二紹介しますと、発症率一万人につき2.89人の推計値から試算すると、 重症児者は全国で36,700人弱。その内約7割が在宅児者である。その上医療依存度の高い重症児が増加傾向、 よって在宅医療の重要性が認識されつつある。在宅医療を進めなければ日本の医療、福祉の維持向上はなく強いては日本の医療、 福祉は崩壊するという危機感さえある。生活を支え看取りまで行う在宅医療の構築(医療と福祉の連携とか訪問看護との連携など)が重要。 このためには在宅医療の地域支援(家庭を中心としての病院、行政、学校、デイサービス、訪問看護ステーション、 在宅診療所)が一つの輪のように連携を取りながら在宅支援をする必要がある。両親の高齢化に伴う問題もある。 色々な観点から将来を考えると、これからの医療は「救命し、治す医療」に加え「支え、癒す医療」があるべき姿ではないか。 以上が前田先生のお話しの概略でした。
今後、重症児者の入所施設建設などはかなり困難であり前述の七割近い在宅児者の相当数の人は施設への入所待機者であることを思うと在宅医療の必要性、 重要性を痛感した次第です。これと並行して、重症児者の入所施設を日立市内に建設してもらう活動も粘り強く進めて行くことも重要な事ではないでしょうか。

呼吸器をつけて 高田 多美子

昨年の初め、体調を崩して三ヶ月位の入院でした。何度か呼吸器は付けた事があり、体調も良くなれば「また外せる」と普通に考えていました。 しかし、一ヶ月、二か月、なかなか家に帰ることが出来ませんでした。そして、呼吸器を付けて、在宅でも生活できるという事で色々と準備が始まり、 私も呼吸器の勉強でした。看護師の方々に色々聞いたり、メモに取って、何度も教えて頂き、「何とかなる。」という所まできました。
在宅で診て頂く、往診のDrや訪問介護の方も決まり、三月の初めに、家に帰る事ができました。やっと落ち着いたのも束の間、 3月11日の大震災です。ただ事ではない思いに、子供を家の中から連れ出し車に移動しました。しばらくして、皆、自分の事で大変な時に、 訪問介護の方が、飛んできてくれました。「だいちゃん、大丈夫?呼吸器は壊れてない?」と心配して下さり、 すごく安心したのを覚えています。訪問看護の方に受け入れてくれる病院を探して頂き、避難する事ができました。 こうして何とか、震災を乗り越える事が出来たのです。「経管栄養、気管切開もして人口呼吸器も付けて、もう付けるものはないね。」 と言われましたが、それでも家で過ごせる事は、幸せです。呼吸器を付けて出掛ける事も出来るのは、色々と勉強して下さり大資に係わって下さる方々のおかげだと思っています。

息子とケアホーム 榎田 まさ子

両親にかかる負担は大きく、これまで居宅介護などのサービスを受けながら、何とか在宅生活を頑張っています。
昨年入院をしてから、本人の体力も落ちて来たように見受けられます。春には疲れから体調をくずし痰がからみ、息子は精一杯頑張っているができず、 吸引器を使って取るのですが、何しろ私も一、二度先生方に指導を受けましたが、度胸がなく辛そうな息子を見て先生に来て頂いて、 しっかり覚えて今ではできるようになりました。短期入所(ショートステイ)の話しは、早くから勧められていたのですが、 なかなか利用させる事ができず、最近になって考えさせられます。まだ親と息子が可能な限り在宅生活を続けたいと願っています。
この5月、風の家が開所され月に一、二回のケアホームの泊りが実施される事になりました。利用にあたって太陽の家が関わる施設なので、 子供の事を良く理解されているので安心して利用を始めました。 息子はどう思っているのでしょうか?たぶん職員の皆様には大変ご苦労をおかけしておりますが、笑顔で対応してくれる事が何より嬉しく、 帰宅する息子の顔は晴ればれです。ありがとうございます。 生活介護及び居宅介護そしてケアホームと受けられる日立太陽の家での期待感はますます親にとって大きな支援となる事を願って居ります。

成 長 支援員 根本 忠行

私は太陽の家に笑顔を探しに行くのが毎日楽しみです。しかし今は新しい発見を探す日々に変わってきています。 毎日が勉強の私にとって日々変わっている利用者さんの動きが新たな発見ばかりです。
日々の療育の中で、お集まりという「朝の会」のようなものを行っています。利用者さん一人一人の個性が見られる場です。 朝の挨拶をするのでも利用者さんの色があり、毎回違う動きを見ることができます。声を出したり、手を挙げたりと……。毎日楽しみにしています。
また、利用者さんの個性が見られるのは、午後から行われることが多い製作やゲームや視聴覚などです。 個人の特徴、今までには見せない表情をしたり、満面の笑みを見せたり、毎回違う顔で利用者さんは応えてくれています。 それを見るのが私にとって楽しみでもあり、元気の源になっています。これから先も利用者さんの小さな訴えや変化に目を向け、自分の成長に繋げていきたいと思います。


○平成24年度日立太陽の家利用者数     TOPへ

総数38名
男性22名
女性16名
 

お 知 ら せ

太陽の家に7月から新しい仲間が加わりました。
澤畠 康さん 日々の療育や園外活動など楽しい思い出をたくさん作りましょう。

ご寄付ありがとうございました

○次の方から寄付を頂きました。(敬称略)6月〜8月
善和会 鈴木貫一 三輪武子 親切会関東支部 後藤善弘 日立市更正保護女性会
○次の方から物品の寄贈がありました。(敬称略)6月〜8月
椎名将光 沼野上香代子 有馬郷子

編集後記


太陽が一番遠くまで光を放つオレンジ色、空一面に広がってみんなの明日まで繋がって。(K記)      TOPへ