太陽の子  秋の号 bP45   2013年10月     HOMEへ戻る     バックナンバー



目 次

1,普通に近い暮らしを求めて / 浅川秀吾

2,相談支援事業に携わって / 横田寿子

3,「Aさんとの時間」雑感 / 齋藤静雄

4,日立守る会だより / 佐藤芳昭・篠原順子・和田いつみ・綿引利恵

5,お知らせ/ご寄付ありがとうございました

6,編集後記



普通に近い暮らしを求めて      TOPへ

浅川 秀吾

「ノーマライゼーション」。この言葉そのものは、すでに今の日本では市民権を得ていると言えるでしょう。とはいえ、 欧米、否、日本の障碍者の理想と比べても、実際には絵に描いた餅に留まっている部分もあると思います。そんな中、 私がお世話になっている太陽の家のケアホーム『風の家』も、できるだけ福祉の理想に近づこうと、スタッフの皆様が 私達のために力を結集して下さっている施設の一つです。
力の結集といえば、私は最近ひょんな事から手の指の(正確に言うと小指の付け根から手の甲の中へ伸びている)骨を 剥離骨折して、ホームの皆様に大変なご迷惑をおかけしてしまったのですが、本当に親身になって支えて下さいました。 特に骨折から四、五日経った頃、生まれて初めて填めたギブスが手のあちこちに当たる上に、脳性マヒから来る硬直で 更に激痛となってしまい、眠れない事態に陥ってしまいました。それを見かねてホームと当直の方が、外科の夜間外来 へ連れて行って下さったのです。
この時の有り難さは本当に忘れられません。言い古された言葉ですが、「地獄で仏」でした。とにかく私は、この 『風の家』におられるスタッフの皆様のおかげで、普段とそれ程変わらない日常生活を維持することが出来たのです。
『風の家』の皆様、太陽の家の他部門の皆様、どうぞこれからも重い障碍を抱えた私達を支えて下さいますよう、宜しくお願い致します。


相談支援事業に携わって      TOPへ

相談支援専門員 横田 寿子

相談支援事業が始まって三年が経ちました。当初は八名の利用者だった事業が八倍以上に増えました。私が太陽の家に 就職した十五年前には個別のケアに対しての計画書が無かったことにとまどいを感じたことを思い出します。医療では 看護計画が、介護保険ではケアマネージャーが介護計画を、そして今、障害のある方の相談は始まったばかりで全員が 相談支援事業を受けるまであと一年半では全員が必ずとなっています。太陽の家で関わっている方は、日立市以外にも 高萩市、常陸太田市、那珂市からの依頼を受けている状況に、早くそれぞれの市町村内で行えたら良いのにと思います。 児童発達支援利用の為の相談では、食事のこと、排泄のこと、成長発達のこと、保育園、幼稚園、学校のこと、親の用 事があるときに預かってくれる場所があるのか、ケアや体調のこと等で不安になっている親の姿があり、定期的な様子 伺いと保健師さんとの連携をとりながらの関わりをしています。
学校へ通っている方では下校から夕方までの放課後等デイサービス、夏休みのような長期休業日に過ごせる場所はない かという相談。そして、放課後等デイサービスを利用して友達と一緒に買い物や、調理、プールなどいろいろな体験を され、時に自分のペースで、時に友達と一緒に楽しんで笑顔のあふれている様子を見ることができました。医療的ケア のある方が増えている中、いろいろなサービスを必要とするケースも多いことがわかってきました。入院中から在宅生 活が不安なく送れるように、そして、ご本人とご家族がどのような生活、支援を望んでいるのか信頼関係を築きながら 病院のスタッフ、市の職員、訪問診療スタッフ、訪問看護師、訪問リハビリ、居宅介護事業所等の方々と話し合いを持 ち、共通理解を持つ事と、どのような方向性で生活をサポートすればよいかと考えています。
年月を重ねるごとに介護する方も高齢となり家族だけでの介護はいろいろな面で無理なことも増えていきます。何より ご家族、ご本人が健康で体調を崩すことなく過ごせるように、みんなが頑張りすぎずに支え合えればと感じます。みん なが、しあわせを感じられるように、その笑顔をみる時が私達の一番の嬉しい時なのですから。
太陽の家の相談支援専門員も四月から一人増員されました。まだまだ慣れない私達ですが、精一杯皆さんの要望に添え るようにと思っています。一つ一つ勉強しながらですが利用者様を中心として横のつながりを大切にしながら連携をと り、考え進めていきたいと思っています。遠慮なく声をかけてきて下さい。こちらからもうかがいますが、私たちも皆 さんの声を待っています。あたたかく居心地の良い時間がますます増えますように。


「Aさんとの時間」雑感      TOPへ

支援員 齋藤 静雄

十ヶ月を迎えました。曲りなりにも続けてこられたのは、太陽職員方の励ましと、利用者さん、親御さんのご理解があっ てのことと、感謝申し上げます。今は、十二歳程の違いはありますが、世代的には共通するAさんとの時間を多く持たせ ていただいています。全面介助を必要としますが、車椅子での生活と耳が遠いことを除けば、社会性、コミュニケーショ ン等は、健常者と何ら変わりません。至らない点が多々ありますが、共に過ごす時間をAさんはどのように受け止めてい ますでしょうか……。
Aさんは、母親思いで、忍耐強く、周囲に気を配り、感情をあまり表に出すことのない穏やかな方です。おかれた境遇を 嘆いた言葉を聞いたことがありません。まさに克己心そのものです。ご不自由な身体でありながらも工夫して可能な限り、 自らやろうとする姿には頭が下がります。
それだけに、一日の些細な出来事が脈絡なく脳裏をかすめ、家路につく足が重くなることも少なくありません。何気ない 言葉から、心の動きをどれだけ受けとめることができただろうか、いつもより言葉数が少なかったのは係わり方に原因が あるのだろうか等々、数え上げれば切りがありません。係わり合うことへの難しさと葛藤を覚えます。
デリケートな場面に出会うことも珍しくありません。ご自宅に初めて身体介護に伺った時でした。昼食の時間になり、お 母さんが私にも食事を用意してくださいました。「持って来ているので……」と、固辞しましたが、「家に障害者が居る と、人が訪ねてくることがなかなか無いの。だからこうして人が訪ねてくることがとっても嬉しいの……」と。傍らでA さんは笑顔で頷いていました。「そうですか……。遠慮なくいただきます」お母さんの言葉は重く感じました。
屈託なく、朗らかな笑顔を浮かべる一日が終わった時は、心が癒されホッとします。笑顔は人の心を穏やかにし、慰めて くれます。係わりは、人が日々生きるという当たり前でありながらも根源的な多くのことを学ぶことが出来る時間でもあ ります。この仕事に携わらなければ恐らく気付くことすらできなかったでしょう。太陽は、私に足りないものを日々教え てくれる、そして試される空間です。Aさんに限らず、利用者の方の思いを一つでも二つでも察することができる人にな りたいと改めて想うこの頃です。


日立守る会だより 日立重症心身障害児(者)を守る会      TOPへ

将来を見据えて 会長 佐藤 芳昭


私は前号で平成二十五年は「成年後見制度元年」と位置づけ、会員で勉強しながらこの制度の利用を検討したいものである と書いたように記憶しています。その為、十一月十日(日)に実戦面も含めての講話と話し合いを計画しております。具体 的内容はこれから講師の先生と打合わせを行い、会員の皆様にお知らせしますが、十一月十日は忘れずに予定しておいて欲 しいのです。
在宅で生活している間は、この制度の必要性は殆んど感ずることはないと思いますが、特に施設への入所の際にその必要性 を感じると思うのです。
いずれは入所するか、それとも在宅で誰かに世話をしてもらうかを考えた場合、この制度を理解して後見人を決めておき、 何事かあった時に何時でも対応出来るようにしておくことが肝要と思っております。
何事も人生、先を見ながら生活していくことが重要であります。特に障害を持った子供が居る家庭や親御さん方は言うに及 ばずではないでしょうか。
当守る会の親御さん方も年々年を重ねてきており、この事を十分に考えて今後のことに対応していかねばなりません。そう いう私なども、もっと早い時期から将来を見据えた生き方をしなければなりませんでしたが、非凡ではなかったためこの年 になってから重たい腰を上げているような始末で、反省しきりです。
私は定年後、十数霜雪を歩んでいますが現役時代言われた事は「常に先を予測して仕事をせよ」ということでした。言うは 易く行なうは難ししですが常にそのような考えを持つ事は大切であると思います。日立製作所の創業者であった小平浪平翁 は「生年不満百常懐千年憂=生年百に満たないが、常に千年先を憂いている」という意味で、小平翁のスケールの大きさと 深さを感じた次第です。
やはり人生常に先を見ながらの対応が非常に重要です。従って小さい事の一つですが「成年後見制度」の勉強会と将来への 対応を今からでも行動を起したいものです。皆さん一緒に勉強し将来に備えるようにしましょう。

太陽の家を利用して   篠原 順子

学校を卒業して、四月から太陽の家を利用しています。子供は、人とふれあうことが大好きで、太陽の家の職員・利用され ている方と一緒に楽しく過し笑顔で帰って来ます。
三年前から、不随意運動のため体のいろいろな所に、症状が出て原因がわかりません。六月に検査入院した時、太陽の家相 談支援事業所の職員さんが病院に来て、子供に声かけ見守って下さり心強かったです。これからも、お世話に成ります、よ ろしくおねがいします。

太陽の家と出会って   和田いつみ

太陽の家とは、息子が五才の時知人に紹介していただき小又園長(当時)と面談し療育ホームを紹介していただいたのが最初 です。そして、今年の四月から太陽の家へ通い始める事になりました。
十二年間訪問教育でしたので、人数の多い所での生活が出来るか心配でしたが、職員の方がいろいろと考えてくださり、一日 生活介護で過ごせるようになりました。また、一日の様子を細かく書いてくださるので、とても安心しています。登園の時な どは「聡君、おはよう」と声をかけられると、うれしくて手を挙げ笑顔を見せるようになりました。電車に乗ったり、バーベ キューをしたり、プールに入ったり、そして、夏まつりと五ヶ月の間にいろいろな事を経験しました。これからも楽しい事、 好きな事をみつけて、笑顔をたくさん見せてほしいです。まだまだ慣れるまでには時間がかかると思いますが宜しくお願い致 します。

楽しい太陽の家で!!   綿引 利恵

太陽の家に入園して早や五ヶ月が過ぎました。今まで十八年間の生活の中では、常に親と一緒に行動していた柾貴ですが、 四月から太陽の家にお世話になっています。もともと柾貴はお出かけが大好きで、家に居る時は、テレビの音や音楽が彼の 友達でしたから、スクーリングやにぎやかな所に行くのがとても楽しみで、出かけると、とてもご機嫌でニコニコと表現し てくれます。そんな彼には太陽の家は合っている様に感じています。
学生生活の時は、先生が訪問授業をしてくれて一対一での生活パターンでしたが、今年度からは自分が出向いて行っての集 団生活に変化し、多くの人達と接する事で良い刺激を受けている様です。最初の四月の頃は帰ってくると精神的に疲れがみ られ眠ってしまう事がありましたが、今ではその生活にも慣れた様子です。一番の変化は、大きな声が出るようになった事 です。あまり騒ぐ事のなかった柾貴が喜びを表現する時に顔の表情だけでなく声も発する様になった事です。園での集団行 動、行事等が彼を成長させてくれています。
両親が仕事を持っている為、施設に通ったりする事が困難でしたが、今は送迎がお願いできるのでとても助かっています。 柾貴の今までの人生以上の期間、これから太陽の家でお世話になる事と思いますし、そうなってほしいと願っています。


お知らせ

○平成24年度日立太陽の家利用者数
     TOPへ

総数43名
男性24名
女性19名
 

○ご寄付ありがとうございました

ご寄付ありがとうございました
○次の方から寄付を頂きました。(敬称略)6月〜8月
善和会 鈴木寛一 三輪武子 佐藤瑞昭
○次の方から物品の寄贈がありました。(敬称略)6月〜8月
椎名将光 中田美知子 大森邦子 有馬郷子 鈴木一江 大森健二 落合光子

編集後記

秋祭り、運動会、楽しいイベント盛りだくさん。美味しい味覚に舌鼓、気持ちもおなかも大満足。(K記)      TOPへ