太陽の子  冬の号 bP46   2014年1月     HOMEへ戻る     バックナンバー



目 次

1,1分1秒でも長く…… / 小又克也

2,『姿勢保持』を理解してもらうために / とうげ工房 菊地 泰平

3,職員紹介 / 澤畠喜美・河合直子・吉沢紀三子

4,日立守る会だより / 佐藤芳昭・藤枝利彰・河野真由美・根本寿江・越川三枝子

5,お知らせ/ご寄付ありがとうございました

6,編集後記



1分1秒でも長く……      TOPへ

NPO法人日立太陽の家  理事長 小 又 克 也

『楽しい経験をひとつでも多く、一緒にいられる時間を1分1秒でも長く……そう願っています。』○市に住む重症児を我が子に持つ母親の言葉。
『もうそろそろ施設入所を考えてみてはどうですか?』○市職員の言葉に答えた母親の言葉だ。我が子の思いも代弁している、母の心が涙を通して伝わる。
福祉が目指すものは何か、私たち職員が大切にすべきは何か。それはこの親子の願い、『1分1秒でも長く一緒にいたい……』、それを実現すること、その気持ちに添って支援していくことだと私は思う。
この一緒にいる生活を継続するために大切なことがもうひとつある。それは障害者自身の自立生活の実現、一見相反するかと思えるこれらは実は互いに欠かせない関係にある。 自己選択、自己決定が保証されることと定義される「自立生活」は、その選択決定の結果実行される介護、支援を受けることで実現される。この「自立生活」の実現をとおして、高齢になった親の介護負担が少しでも軽減されれば、その時、親子の願いである『1分1秒でも長く一緒にいたい……』が実現できるのだと思う。
さて、平成26年、今年はどのような一年になるのでしょうか。笑顔が溢れ、感謝に満たされた一年をめざしみんなで歩んでいきたいとそう願っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。


『姿勢保持』を理解してもらうために      TOPへ

とうげ工房 菊地 泰平

今回は皆さんがいつも利用している椅子や車いすと関係の深い『姿勢保持』との関わりについての話です。
私の仕事は『姿勢保持具』の製作が中心です。自分では体を起こせない人の症状や目的に応じて、座位や腹臥位、立位などの姿勢を保持するための道具作りです。その中には補装具制度の『車いす』や『座位保持装置』があります。座位保持装置は車輪を使用することがある為に、見た目は『車いす』と同じく見えます。強いて言えば製作方法と姿勢保持の構成内容に違いがあります。まずは構造になるリクライニングの種類から。一般的な背もたれが倒れるタイプは休む姿勢が可能になりますが、お尻(身体)が前ズレを起こしやすくなる要素を持っています。ティルトリクライニングは固定してある背と座が一体で傾き姿勢の安定を保ち易いですが、お腹の圧迫感はそのままです。もう一つの新リクライニングは背もたれが倒れてもお尻が沈み、身体がずれにくいタイプです。さらにダブルリクライニングは、それぞれの二つを組み合わせることで機能がおぎなえるタイプです。操作に注意が必要です。それらの長所、短所をふまえて個々の症状と使用目的に応じ選択します。
その構造フレームと身体を支えるヘッドレストや背もたれや座面などを組み合わせます。その種類には張り調整式のベルト構造やパッド、ベルト類、完成用部品等の組み合わせや三次元構造のモールド型クッションがあります。 『何も言わなくても思ったモノが出来る』???
姿勢保持具は評価や情報や希望を基に製作します。家族、医療、福祉介護、製作技術者などの関係する人と検討する時には、『姿勢保持具』を〈使い勝手の部分〉と本人の〈姿勢〉とに分けて話し合うと分かり易くなります。姿勢については、身体を起こす抗重力姿勢や安定した姿勢、呼吸や食事の生理的姿勢、活動や作業の生活の質を広げる姿勢などの目的があります。それらを助ける姿勢保持具の製作は症状から起こる非対称や、重力の影響やバランス、体調や緊張、低筋力、そしてそれまで生活の中で獲得してきた姿勢への考慮も加わり、道具(モノ)の物理的な限界も起こり難しさを常に含んでいることも確かです。そのためにも家族や関係者が知恵や意見を出し合い意識を共有することが、その後の関わり方にも有効になると思われます。
さて、姿勢保持具の使用時のポイントです。
まず、うまくいかない時に、道具が合わないのか、本人の状況なのか見定めることが重要になります。それから椅子に移乗したら姿勢を整える(お尻や体のおさまり具合から頭の位置など)意識を持つことが必要です。外からは見えにくいお尻や背中を支えるところに製作者は注意しています。
健康な人でも片側のお尻だけに布が敷いてあったら不快ですね。同じ姿勢で起こしていた時には、時々リクライニングを倒して休息することも必要です。私はその時に、上半身を伸ばすストレッチ体操を勧めています。道具は介護する人の力が加わって有効度が増します。
それでは私がこれまで製作に長く関わってきた医療療育施設を紹介します。一つは、外来で毎週行われているイスクリニックで、低年齢から姿勢保持を考慮して発達と、特に変形予防のための配慮が組み込まれています。もう一つの入所型施設はセラピストを中心に介護職が座位や腹臥位などの姿勢保持ケアに関わっています。施設全体でのそれまでの取り組みが震災時の避難移動と廃痰姿勢などに役立ったそうです。そこで姿勢保持は役割や環境や専門性が異なるところでも知識が得られる分野だと思います。
今回はいつもの『車いす屋さん』からあえて姿勢保持と関わる視点について述べてみました。このような機会を与えてくださり感謝いたします。今後の皆様のご活躍をお祈り申し上げます。



新しい職員の紹介      TOPへ

太陽の一員 ヘルパー2級 澤畠 喜美

「みんなで協力すれば大丈夫!太陽には信頼できる職員がたくさんいますから、あなたもその一人ですよ。」
やっと皆さんの顔と名前が一致した晩夏のころ、ぎっくり腰で動けなくなり、休みをお願いしたメールへの返信でした。
痛みと嬉しさから涙があふれました。そのときの気持ちを忘れずに、そして利用者さんが、気持ちよく穏やかに過ごせるように日々考えながらみなさんと向き合っていきたいです。よろしくお願いいたします。

居宅にて 介護福祉士 河合 直子

御自宅への送迎。コンビニ・スーパーなどでカロリーを少し気にしながら選ぶ昼ごはんの買物。時にはつらいリハビリや嫌いな病院の付き添い。そして昼ごはんを一緒にいただきます。一日のほんの数時間を共に過ごします。利用者様の普段の生活の延長として、できるだけ心地好い空間で過ごして頂けるよう心がけていきたいと思っております。至らない点、多々あると思います。利用者様、御家族様、そして職員の皆様どうぞ宜しくお願い致します。

感 謝 ヘルパー2級 吉澤 紀三子

太陽の家で働き始めて一ヶ月半になろうとしています。日々悪戦苦闘しつつも、利用者さんの笑顔や職員さん達が「大丈夫無理しないで」とかけてくださる言葉に緊張がほぐれて、心の中で頑張ろうと思い一日が過ぎていきます。 まだまだ不慣れな私ですが、感謝する気持ちと笑顔を忘れず日々成長していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

アットホーム 准看護師 根本 寿江

太陽の家で働き始めて二ヶ月が過ぎました。初めて太陽の家を見学に来た時、アットホームな和みを感じ、私も皆さんの輪の中に入りたいと思いました。関わっていて明るく元気で笑顔の多い利用者さんなので、私も楽しく一日を過ごすことができ、嬉しく思います。 まだまだ分からない事や覚える事が沢山ありますが、職員の方々に支えて頂き、少しでも利用者さんのお役に立てればと思いますので宜しくお願いいたします。

勤務を始めて 准看護師 越川 三枝子

12月で二ヶ月の勤務になりましたが、あっという間に日々が過ぎたように感じられます。看護師として勤めてきた経験を活かしていきたいと望んでの仕事ですが、不安や緊張でいっぱいでした。でも元気でやさしさのある利用者様や、活気ある職場のスタッフの方々にいつも元気をもらっているのが現状です。 言葉が足らず不器用な私ですが、目配り、気配りを大事にし頑張っていきたいと思います。今後ともご指導宜しくお願い致します。





日立守る会だより 日立重症心身障害児(者)を守る会      TOPへ

馬で天空を走ろう 日立重症心身障害児(者)を守る会 会長 佐藤 芳昭


会員の皆様、明けましておめでとうございます。平成になって早や四分の一世紀が過ぎました。平成二十六年度は日立市福祉関連計画の新たな出発年として非常に意義深い年であります。その一つとして、平成二十五年から「日立市障害者施策長期行動計画(第四次)」について、日立市障害者自立支援協議会計画部会で内容を検討しているところです。この長期行動計画が障害者福祉施策の基本となり、これを踏まえて障害者福祉計画が作られる手順となります。障害者福祉計画は障害者施策長期行動計画を具現化するために具体的サービス内容を掲げて、これからの障害者福祉施策を進める計画となるため、障害者施策長期行動計画と併せ、非常に重要なものであります。このような理由もあり、昨年アンケートによる障害者の意識調査や各障害者団体における障害者福祉施策に対するニーズや今後の方針等についての意見を集約し取り纏め中で、当守る会としてもその都度対応しております。例えば、理学療法士の巡回リハビリの実施。在宅児者への支援サービス充実。重症児(者)入所施設の整備。重度障害者等包括支援サービスの早期実現など、八項目を回答しております。しかし、最終的にどの程度組み込まれるかは、各団体から提出された多くの項目について大所高所から議論し、最終的取り纏めを行うことになります。従って各団体の項目が全て組み込まれることはありませんが、出来るだけ組み込まれるよう努力することが必要であると思っております。 次に「日立市障害者自立支援協議会」について皆様方に概略をお知らせしておきたいと思います。実はこの協議会は平成十八年四月から障害者自立支援法が施行され(完全実施は同年十月)、その時から当協議会と市町村単位で必要であれば設置することとなったように記憶しておりますが、日立市としては日立市障害者プラン推進市民会議を協議会として位置づけし、障害者福祉の推進に関わる方々との連携と、支援に関する協議を行う場として活動を推進してきました。そして第三期障害福祉計画を経て、二十四年十一月から市民会議を「日立市障害者自立支援協議会」として会の構成、委員等も従来以上に充実させ、活動の展開を図っております。この協議会のねらいは、前述のように「障害のある人が普通に暮らせる地域づくり」を目指すもので、障害者の抱えるニーズや地域の課題を持ち寄り、全員が自らの課題として受け止め、情報を委員全員が共有し、ともに解決する。自分のところでは何が出来るのか、一歩でも前進しようとする姿勢で共に活動することなのです。私達もこれを念頭において、自分達として今、何が問題なのかなどを常に把握し、各団体でよく論議し協議会で検討してもらう問題は協議会へ委ねることも考えていきたいと思っております。私は現役時代に読んだ本の中に、次のように書いてあった事を常に思いおこします。それは「今何が問題なのか、解決するためにどう対処すればよいかを常に考えて行動せよ」ということです。そしてそのような目で、頭で行動しないと見える問題も見えません。 会員の皆さん、今年は馬年です。健康に気をつけて大いに天空を駆けめぐりましょう。

息子の自立生活 藤枝 利彰

利教が一人暮らしを始めて早いもので今年の十月で四年目に入り、大勢の皆様の支えにより充実した毎日を楽しく過ごしております。 一人暮らしをしたいとの夢は二十年来の悲願で、三重の友達など、いろいろな方と自立生活に向け話を進めておりました。現実になったのは、現在お世話になっている自立センターいろはの代表及びヘルパーの方と日立市や東海役場など何ヶ所かの役所を廻り二十四時間体制の介護支給が出来るかいろいろ調べ、東海で対応していただけるとの事で決定しました。 あとは住むところを自分達で何件かの不動産を廻り、現在のアパートに決めて、生活に必要な日用品を取り揃え、一人暮らしをスタートしました。日常生活は朝九時より夜の七時までと、夜勤の七時より翌朝の九時までの二交代勤務でヘルパーさんに食事、お風呂、掃除等の面倒をみていただいております。日常は自立生活センターいろはの事務所に行って講習会や勉強会を友達と楽しんでおります。 健康管理は特に持病も無く、いばらき診療所の医師による週一回の訪問診療及びリハビリのマッサージを受けています。当初私たちは、長く続かず早々に自宅に帰ってくるのではと思っていましたが、いまでは自宅に帰ってくるより一人暮らしをしていたほうが楽しいと言っているので、今後も親としてサポートしていくつもりでおります。

変身 河野 真由美

我が家の三女は今、高校二年生です。高校に入学してから無遅刻、無欠席で一年次修了時には皆勤賞で表彰され、現在も尚、更新中です。本人は二年次は勿論の事、三年間を通して皆勤賞を目指しているようです。しかし中学三年生の時を思い返すと、今の状況は到底信じられない事です。というのは中学三年生の時に、一度も自分のクラスの教室に入る事が出来ないままに、一年間相談室登校をしていたからです。三年生に進級した時点から学校に行かない、教室に入らないと言い出したのです。理由はなかなか理解し難いのですが、本人にとってはとても大変な事だったのです。すったもんだの末に相談室に登校する事に落ち着いて、そのまま卒業式を迎えたのです。 また、中学三年生当時は自家用車で通学しており、一人で電車やバスに乗ることはなかったので、いつも一緒に外出していました。ところが高校に入学してからは、自宅から大みか駅まで徒歩で二十五分、大みか駅から水戸駅まで電車通学をしています。普通に考えれば当たり前の事ですが、中学三年生の時にはとても考えられなかった事なのです。 今では自分の欲しいグッズや本、CDがあったり、イベントがあると高速バスネットなるもので東京行きのバスチケットを予約して一人で出掛けています。つい一年前はどこへ行くのも一緒だった娘ですが、こんなに変わるとは思ってもいませんでした。華麗なる変身、とまではいかないかもしれませんが、娘なりに充実した高校生活を送っているようです。嬉しい娘の変身ですが、たまには私も一緒に連れて行って、と思う今日この頃です。

お知らせ

○平成24年度日立太陽の家利用者数
     TOPへ

総数43名
男性24名
女性19名
 

○ご寄付ありがとうございました

○次の方から寄付を頂きました。
(敬称略)9月〜11月
多賀向上会 善和会 とく名 鈴木寛一 後藤善弘
○次の方から物品の寄贈がありました。
(敬称略)9月〜11月
椎名将光 堀越ひろみ 今井かおり 澤畠康 有馬郷子 三本木勇 小林豊 横田商店 村田理恵


編集後記

明けましておめでとうございます。新たな一年も実り多き年になりますように。(K記)      TOPへ